同時多地域タウンウォッチング:(4)蒲田・羽田
2005.06.20
大田区は蒲田という地に脚を踏み入れたのはこの日が初めて、という人は果たして我が班に何人いただろうか?
「カマタ」ってどういう字を書くの?
「蒲鉾」の「蒲」に「田んぼ」「田」のだよ。
その前に「カマボコ」って感じが書けないんだけど。
・・・・。
全国における蒲田の知名度がどのくらいかは知らないが、前都知事と同じ苗字の刑事が活躍する映画のPart2で少しは上がったのではないか、と考えていたあの日。
僕らと蒲田との出会いは全然ロマンティックではなかった。
(後藤ゼミではロマンティックは扱っておりません。多分。)
「工場の数が23区で一番多い」と聞いていたので、自然と、「町と工場の融合性とその雰囲気」を肌に感じてこようという流れになった。
余談だが、蒲田は餃子の町としても有名らしい。(知らなかった)
蒲田と餃子。
この2人の出会いがその後の人生を左右しようとは・・・。
歴史の表舞台には一切表れない驚愕の事実がそこには隠されていた!?
妄想である。
さて、蒲田。
僕らは「徒歩」というお手軽な移動手段で、その広大な土地を動き回った。
民家の並ぶ中に、人の顔の種類程の数の工場達が現れた。
どんなものを作っているのか予測出来る工場、予測出来ない工場。
小さな工場、大きな工場、その中間の工場。
工場らしい工場、工場らしくない工場。
向上してそうな工場、向上してなさそうな工場。
ここを訪れた人々は何を思うだろう?
その内、奇妙な公園を発見した。
タイヤが無数に散乱し、かつて陸・海を走っていた乗り物たちが集まる、公園界においては他の追随を許さない公園。
その名も「ガラクタ公園」。まんまである。
「江古田、いや、エコだ。」
そんな事を考えたのはきっと疲れていたからだろう。
更に脚を進めること数十分。
建物の数がガクンと減った空間に出た。
「空港は近い。」
そんな気がした僕らの視界に赤いものが飛び込んできた。
鳥居だった。赤い鳥居だった。
「何故こんな所に鳥居が残されているんだ?」
ロマンティックの匂いを感じなくもないが、先を急ぐ僕らは空港へと急いだ。
(後藤ゼミではロマンティックは扱っておりません。きっと。)
「天空橋」という、名は体を表さない駅から羽田空港へ。
「何だここは・・・?」
率直な感想だった。
今まで抱いてた「空港」のイメージが最新型にアップデートされた瞬間だった。
アートギャラリー、高級料理店、有名菓子店、CUTEな雑貨屋・・・etc。
中でも圧倒的だったのは、その独特な建物の造りだった。
「蒲鉾だ。」
庶民の僕はそう思った。
その高い天井が、ここは非日常空間であると訴えかけてくる。
羽田空港・・・、注目株である。
空港といえば展望台。
いつまでたっても童心を忘れない僕らは堰を切ったように意気揚々と階段を駆ける。
だが身体の方は歳相応だった。
息が切れた。
間近に飛行機を眺める僕ら。
しばしの間、それぞれが物思いに耽る。
エンジン音が響き渡る。
「今日は疲れたけど、色々見られて良かったかも。」
夕日を浴びて赤く光る鉄の塊は、少しロマンティックだった。
文責:原田健一(2005年度4ゼミ生)