東京探検団(6月17日)神田探検
2017.06.17
今回、初めてブログ執筆に当たります3年の倉持です。
参加者
4年 本多(企画者)、田辺、番、橋本
3年 倉持
後藤先生
今回の東京探検団はこのメンバーで、神田界隈を歩いて回りました。
神保町駅出口に13時に集合し、まずは学士会館に向かいました。向かう際の道路沿いには集英社や小学館、共立女子大などさっそく神田らしさが見えました。
後藤先生によると「神田五大」の日大、法政、専修、明治、中央がかつて法律学校としてこの地に揃い学問の中心となり、それを支える出版社や古本街が作られていったとのことです。
それと共に、この学士会館は、野球発祥の地であり、東大の前身であり、旧帝大の卒業生しか会員になれず、ここで結婚式を行うというのが昔も今もステータスの一種だそうです。かつてこの地が江戸城を囲む武家街でも中級武士のあたりだったことも関係しているそうです。
気を取り直して古本街に向かう途中、長蛇の列を作る喫茶店が目に留まりました。「さぼうる」というここの学生街ということを意識した店ですが、土曜に列を作るほど何か違いがあるのでしょうか
そしてある古本屋をみんなで見学して出てきたとき、ちょうど08年卒ゼミ生の上野さんと会いました。写真雑誌(さすが後藤ゼミ生)を買って歩いていたら後藤先生に気付いたそうです。軽い挨拶を交わし、お言葉をもらい、別れました。
古本街に連なる楽器店やスポーツ店もすべて、ここが学生街という下地から出来上がっていったそうです。それらを観察しながら御茶ノ水をぬけ、聖ニコライ堂に向かいました。
聖ニコライ堂はキリスト教正教会にあたります。ここで信者のボランティアの方が内部の解説を行っていたのですが、私たちにひとつ教えてくれました。
「日本は八百万の神だから神様のことを何でも頼める親戚のおじさんとしか思ってないけれど、一神教は神が絶対なので常に神の目を気にしている。自分の振る舞い、行いが神の目に触れないか。つまり第三者を気にし、自分を客観視している。人類60億人の40億人が一神教であり、2000年間勝ち残ってきたことが一神教信者の強さを表している。自分を客観視するこの考えは大事だから覚えてほしい」
ということです。これには後藤先生も私たちも教えられたような気がしたと思います。ゼミのキーワードである「他者性」もこれにあたると、忘れないようにしたいです。
そして次に向かったのが、聖橋の下をくぐりちょっと歩いたところにある湯島聖堂、かつて江戸時代に存在した昌平坂学問所です。ここでは江戸当時の正学である儒教を教えていたため、孔子像もありました。
江戸時代から200年経った今でも儒教の基本的な教え「年上を敬う」「男尊女卑」がまだ日本人の心に残っている、それを残した故に後藤先生は孔子がとても嫌いだそうです。
そしてここで後藤先生が用事があるため、一人一人コメントを言い、中締めをして先生とお別れしました。
まとめると江戸の時代に学問所があり、この時点ですでにこの先200年のこの土地の在り方を性格づけて、変わらず今日に至るということです。
この後向かった神田明神は、商人の信仰が集うところでもあり、湯島聖堂と神田明神が目と鼻の先でも、見えない境目がある。それを感じてきてください。とのことでした
最後に今回の東京探検団を通じて感じたのが、東京の中でも200年前からその土地の在り方が今もなお変わらないことが簡単に見られるという地区は稀有なケースなのではと思いました。ですが他の事例を知らないのでこれからの東京探検団で見ていきたいです。
文責:倉持英元(2017年度3年ゼミ生)