9.気がつけば中吊り ―視線の誘導―(1998年度作品)
ラッシュ時の超満員電車。外も見えないし、新聞も本も読めやしません。一方、写真のような昼間の空いている車内。座っていても立っていても、なーんもやることがないことだってある。そんな時、あなたもいつの間にか目で追っていませんか、中吊り広告を。そうでしょ!これが、知らず知らずのうちに視線を向けてしまう中吊り広告の「視線誘導効果」ってやつなんだな。窓上よりもずっと沢山の人が目に止めるのです。想像力を働かせながら結構じっくり見るから、印象にも残るのです。販売促進にもつながります。だから、窓上より中吊りの方が掲示する期間が短くて料金が高いのです。JR山手線を例にとると、窓上の場合は4日間・1640枚で77万8千円であるのに対し、中吊りは2日間・2560枚で180万4千円です(98年4月現在)。東京の料金は別格です。めちゃくちゃ高いです。それだけ、人がぎゅうぎゅう詰めにされてるってことですね。
写真原作者:法政大学3年 渡辺あゆみ
1998年7月8日(水)午後9時頃
営団地下鉄・千代田線の車内にて撮影
1998年7月8日(水)午後9時頃
営団地下鉄・千代田線の車内にて撮影