19.見せかけの銀座開放 ―エキストラとしての役割―

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 日本初の試みとして1970年に始まった銀座歩行者天国。週末には1?8丁目の中央通り(約1,100m)が歩行者に開放され、来訪者は1日で30万人にも上ることがある。
 銀座は元来、富裕層を対象とした店が多く、特に中高年層に支持されてきた。しかし、歩行者天国は小さな子供連れやカップルで賑わっている。2005年4月に土曜日の開始時間を14時から12時に変更したが、通りでのパフォーマンス行為が禁止される等、制限も多い。これには、庶民に対して閉鎖的な店が少なくないことも関係している。和光本店は、高級イメージを守るために日曜・祭日を休業にしているが、大型専門店の店舗別売り上げでは全国で常に上位にランクされ、固定客だけでも経営は十分に成り立つ。
 誰でも気軽に「銀ブラ」できる装置として考え出された歩行者天国だが、銀座に利益をもたらす中核は富裕層であることに変わりはなく、庶民は銀座の賑わいを効果的に演出するボランティアのエキストラである点にこそ意味がある。
 
写真撮影者:日本大学3年 吉田一雄
2006年7月8日(土)14時頃
銀座中央通り(中央区銀座3丁目)にて撮影

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