10．性の開放化と能動化 ―「コンドマニア」のメディア性―

　NHK放送文化研究所が実施した「中学生・高校生の生活と意識調査」によると、全国の高校生の「キス経験率」は、1982年14.8%→92年18.9%→2002年33.8%となっている。面接調査故に過少申告された可能性があるが、ここ10年の上昇率の高さは注目できる。性を縛る規範がゆるみ、開放的かつ能動的になっていることが読みとれる。
　写真は、コンドーム専門店「コンドマニア」原宿店。1991年に六本木に1号店ができたが、現在、直営店は原宿・渋谷・お台場の都内3箇所でのみ営業している。2003年8月23日(土)に私たちが来店者に実施したアンケートによると、回答者132人、男56・女76人、高校生46・大学生33・社会人28・その他25人。「友達と」80・「恋人と」37人が圧倒的に多く、「一人で」は11人。初心者にとって、友人や恋人と連れだって、開放的な店内で、実物を比較検討して購入し、実際に試してみる「学習・啓発効果」は計り知れない。「コンドマニア」は、若者と性の開放・能動化現象を媒介する「メディア」となっている。