16.舞台としての紀伊國屋 ―「ぴあ」の終焉と再生―

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 通路にびっしり貼られたパネル。2011年7月、新宿紀伊國屋ビル1階の通路で文化情報誌「ぴあ」の最終号発売イベントが行われた。歴代の主要な表紙が奥まで並ぶ。
 同ビルのある新宿三丁目一帯は、文化施設と商業施設が集中していることから、「新宿文化村」として認識されてきた。画廊や小劇場、紳士服や化粧品店のテナントも含んでいる同ビルは、その中心地として様々な文化の盛衰を見守ってきた。そして、「ぴあ」は東京を中心とした、映画・演劇・音楽の公演情報などを網羅した文化情報誌であり、最盛期には50万部超を発行するなど、紀伊國屋と同様に文化情報の発信源となっていた。
 終焉を迎えた紙媒体の情報誌「ぴあ」は、3ヶ月後の2011年10月、「ウレぴあ」として休刊時と同じく紀伊國屋ビルの店頭イベントで「再生」された。売れる・嬉しいの「ウレ」を加えた‘新’ぴあは、ネットで意見を発信できる新たなトレンド情報誌だ。東京の文化情報源の誕生・終焉・再生の主舞台となっているのは、ここ新宿紀伊國屋だったのである。
写真撮影者:日本大学4年 川添智之
2011年7月26日(火)14時00分
紀伊國屋書店新宿本店1階通路(新宿区新宿3丁目)にて撮影

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