9.「東京人」のエートス ―指標(メルクマール)としての東京モノレール―
ここは沖縄県の那覇空港。出発ロビーには、東京モノレール(羽田空港駅から浜松町駅)の券売機が置かれている。1982年、3福岡空港に設置されたのを皮切りに、2新千歳(札幌)、4伊丹(大阪)、5那覇、6関西国際など全国の12空港(空港名の左側丸数字は、1998年の国内線乗降客数の順位を示す。1位は羽田空港)と、新千歳空港とつながっているJR北海道の札幌圏内各駅に設置されている。東京モノレールの説明によると、利用状況は搭乗者数と羽田発着便数に概ね比例するという。上記順位は従って、東京との結びつきの強さを表している。この券売機を利用する人々は、切符を事前に買い求めておくことで羽田到着後の行動をよりスピーディにスムーズに進めたいという意識を働かせている。誰もが一刻一秒を争う東京。周りに合わせて自然と歩くスピードが速くなってしまう東京。この券売機には、そんな「東京人」の時間・スピード感覚のエートス(心的態度)があふれている。
写真原作者:日本大学4年 浅沼伸介
2000年9月7日(木)16時
那覇空港(沖縄県那覇市)にて撮影
2000年9月7日(木)16時
那覇空港(沖縄県那覇市)にて撮影
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