23.Upstairs↑ ―「不自然」が織りなす風景―

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 中・高層ビルに囲まれた中を走る教習車。池袋の「サンシャイン60」のすぐ隣にある豊島自動車教習所である。ここでは、通常平面で行う技能教習を立体型のコースで行っている。こうした教習所は、都内に8ヶ所(23区内に6ヶ所)あるが、他の政令指定都市では大阪に1ヶ所あるのみである。1960年に公認教習所に必要な敷地面積が8000平方メートル以上と定められて以来、建物が密集ししかも地価が異常に高い東京の教習所では、この面積を確保するのに苦労する例が出た。そこで、体を横ではなく上へと広げたのである。
 私たちが各道府県の警察本部に問い合わせたところ、こうした教習所の存在すらほとんど知らておらず、一笑に付されたケースもあった。立体型教習所は「不自然」なモノと認識されているのである。しかし東京では、「不自然さ」がそのまま許容されてしまう。
 本来「不自然」なモノが存在し機能してしまう都市。立体型教習所はそんな「東京」の一つの風景として、あまり目立つことなく周囲にとけ込んでしまっている。
写真原作者:日本大学4年 小林裕樹
2002年2月8日(金)
豊島区東池袋3丁目にて撮影

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