26．もう一つのオープンカフェ ―あなたはどっち派？―

　これまた、とあるもう一つのオープンカフェの風景である（渋谷）。が、先ほどの作品（No.24）とはいくつかの点で明らかに異なっている。まず“屋内の”もう一 つのオープンカフェであること。そして、外に面している座席が内側（店内）を向いていること。この違いの意味は、何？ 　「見る」ことも「見られる」ことも、どうも苦手。これが我々日本人の一般的な感覚であろう。ここは、そうしたいかにも日本人らしい感性を持った人々のために生み出された、「静」のもう一つのオープンカフェなのかもしれない。恥ずかしいのなら、オープンな場所を屋内に設ければよい。彼らの求めるものは、他者との間で「見る」「見られる」という相互作用を生み出す動的な関係というよりは、落ち着いてゆっくり話のできる、でもちょっぴりおしゃれな静的な雰囲気なのだ。
　「動」のもう一つのオープンカフェと、「静」のもう一つのオープンカフェ。あなたはどっち派？