15.コヤジの生態 ―セッカセカの一年生♪―
帰宅ラッシュ前の池上線五反田駅ホーム。一人、下を向いて歩く少年が、走り去るサラリーマンを追うようにして電車へ・・・・。毎朝、会社へ向かう大人達に囲まれ、その小さな体に似合わないランドセルを背負い、電車に揺られ登下校する子供たち。望ましいステータス獲得のためには、それに相応しい就職/就社と、更にそれにつながる学歴(学校歴)が必要と、小さい頃から大人たちにまじってラッシュアワーを体験する。過酷な競争の渦の中に投げ込まれている「小さな大人たち(=コヤジ)」の存在。そういえば最近、人の顔色をうかがい、先読みして行動を起こす能力を身につけた、「やけに大人びた子供たち=チルドレンアダルト」が急増しているという(1997年9月9日付日本経済新聞)。
「大人びた子供たち(チルドレンアダルト)」と「子供のような大人たち(アダルトチルドレン)」。子供と大人の境界は、ますます不分明になっている。
「大人びた子供たち(チルドレンアダルト)」と「子供のような大人たち(アダルトチルドレン)」。子供と大人の境界は、ますます不分明になっている。
写真原作者:立正大学1年 鹿沼千賀子