37.俺、オシャレ? ―大量生産‐流通‐消費される読者モデルたち―

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 「雑誌に載ってみない?」。カメラを持った男性が、帽子を被った男性に声をかける。GAP原宿店前で、ストリートスナップの撮影が今まさに行われようとしている。
 原宿は、オシャレな若者にとってファッションのコーディネートに欠かせない街。雑誌の編集者やカメラマンが、そうした若者を狙い撃ちする。原宿駅から青山に通じる表参道と渋谷に通じる明治通りが交差するこの地点では、いつも「オシャレの見本市」が開かれている。バイヤー(雑誌)が盛んに商談を持ちかけ、結果として沢山の「読者モデル(読モ)」が誕生することになる。
 各誌が読モを発掘し積極的に起用するのは、不況下にあってコストをかけずに誌面が編成でき、スーパーモデルとは違う“手頃な”リアル感が伝わって、雑誌も売れるから。
 こうして、ファッション(流行)や雑誌ばかりか、読モまでが大量に生産・流通し、消費されるのである。あなたの周りにも、きっと読モがいるはずだ!
写真撮影者:日本大学2年 金子清美
2009年6月29日(月)15時47分
GAP原宿店前(渋谷区神宮前4丁目)にて撮影

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