1995年 神さま?小室哲也
いま留置場でまもなく満50歳の誕生日を迎える小室哲哉は、1995年37歳で頂点を極めていた。この年から彼がプロデュース・作詞・作曲した曲が日本レコード大賞を4年連続で受賞する。1995 trf 「Overnight Sensation」、1996安室奈美恵「Don’t wanna cry」、1997安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE ?」、1998 globe「wanna Be A Dreammaker」。また1996年4月15日付けのオリコンシングルチャートでは、小室哲哉が作詞・作曲・プロデュースした楽曲が1位から5位までを独占するという現象が起きる。?安室奈美恵「Don’t wanna cry」 ?華原朋美「I‘m proud」 ?glove 「FREEDOM」 ?dos 「Baby baby baby」 ?trf「Love&Peace Forever」。これは世界的にも珍しい現象。こうしたヒット曲連打から、JASRAC(日本音楽著作権協会)が発表した1995年度の著作権使用料の分配金ランキングでも、小室哲哉が第1位から第3位までを独占している。?「WOW WAR TONIGHT・時には起こせよムーヴメント」 ?「CRAZY GONNA CRAZY」 ?「Overnight Sensation・時代はあなたに委ねている」。こうして巨万の富が転がり込む。1996年から2年連続で高額納税者番付の全国4位となるのだった。1997年を例にとれば、納税額は11億7千万円、推定所得は23億円程度。そこで海外展開を図る。1996年末には世界のメディア王ルパート・マードックと組み、100万ドルを出資(=当時で1.15億円)して香港に合弁会社「TK NEWS」を設立する。これが命取りとなった。1998年には単独で香港に「Rojam Entertainment」を設立する。後ろから読むとメジャーになる。アジア最大の総合音楽プロダクションが謳い文句だった。だが2001年に香港のベンチャー市場に上場した頃から株価が急落、2004年には海外事業から撤退する。小室サウンドの特徴は一言で云えば、コンピュータを駆使した打ち込み系の音響を大衆的に受けさせるサウンドといえよう。これは日本人の音楽感覚を変えさせたとまで云われる。小室哲哉がこれまでにプロデュースしたシングル・アルバムの総売上枚数は、ざっと1億7千万枚で作詞家別シングル総売上枚数では阿久悠に次いで第二位、作曲家別シングル総売上枚数では筒見京平に次いで第二位となっている。