38．彷徨(ほうこう) ―青い鳥はどこ？―

　黒一面の空間に、一際目立つピンクのハートにカラフルな星の装飾。渋谷109の8階にあるアタラシモノ発見☆カフェ「SBY(“SHI-BU-YA”の略称)」だ。アンケートコーナーをはじめ、雑貨売り場、フードコート、更には化粧台まで設置している。
　これだけのコンテンツを一空間に詰め込んだ店は珍しく、雑誌やテレビに登場することも多い。そのため、流行に敏感な20代前半までの女性の姿が目立つ。流行りもの商品の発信地でありながらカフェでもある、これぞアタラシイ娯楽スポットなのだ。
　しかし、10月14日(水)14-15時のゼミ調査によると、訪れた207人中177人が雑貨のみを見て5-10分程で立ち去ってしまった。短時間で商品を見て回り、次の店へと向かう。SBYに長時間滞在することはなく、彼女たちは更に新しいものを求め奔走する。
　化粧台に向かう女子高生を横目に通り過ぎる女子高生。新しいものはどこ？　彼女達が求める“流行”に終着点はない。