18．ニッポン代表 ―奇抜という衣をまとった没個性―

　スイスからやって来たカメラマン。彼は今、「日本の若者たち」というタイトルのCATVの番組用に撮影している。斬新かつ奇抜な若者ファッションが生み出されるここ原宿において、その番組は何を映し、視聴者に何を訴えかけるのだろう。 流行に敏感、おしゃれに貪欲といわれる原宿に集まる若者たちは、東京はもちろん日本中に影響を与えている。しかしその姿は、外国人には没個性的である種滑稽に映るらしい。カメラマンが捉えているのは、女子高生。制服は違っ ても、髪型やソックス、カバンを含めて、スタイルはまったく同一だ。No.17の様な一見奇抜そうに見えるスタイルも、ほとんどが雑誌からの切り写しで、 実は少しも個性的ではない。多様な選択肢の中から選び取っているだけで、既成の枠組みからはみ出す勇気も創造力もあまりない。
　これが、原宿の、東京の若者。ニッポンを代表して映し出される若者の実像なのか。