10.誰にとっての公園デビュー? ―群れたがるHanakoママたち―

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 大都市で幼い子供を育てている母親は、孤独に陥りがちである。核家族化が進み、実母や姑のような相談相手が身近にいないこと、近隣付き合いが希薄になりがちで友人を作りにくいことなどが、背景として挙げられるだろう。このような環境では、母親はたった一人で育児をすることを要請されるため、精神的苦痛を味わうようになりがちだ。
 そこで、母親は公園へ行く。子供を遊ばせるためだけではない。仲間が欲しいと切実に思っているから。しかし、公園にはいろいろなカラーの集団が存在している。新参者がある集団に入れてもらう時、その集団の暗黙のルールに同調しなければならない。ここ広尾にある有栖川宮記念公園のルールは、おしゃれをすること?
 まるで、雑誌『Hanako』に出てきそうなお母さんたちばかりだ。でも、女の集団--噂話、嫉妬、仲間外れ・・・。彼女たちの笑顔の陰には、それぞれの愛憎が潜んでいるのかも知れない!? 
<写真原作者:日本大学4年 古橋昌恵>

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