13.携帯電話のもたらすもの ―公共空間のプライベート化―
新宿西口の高層ビル街にあるコンビニエンスストア。写真の男性は店に入る前から携帯電話で通話をし、買い物の最中でもそのままだった。「滅私奉公から滅公奉私の時代へ」(日高六郎)とまで言われるほど、現代の日本人、とりわけ「東京人」は、公(パブリック)より私(プライベート)により重きを置くようになった。しかし、携帯電話の普及は、また違った意識を人々に植え付けそうだ。
携帯電話は、T.P.Oを徹底的に無視する。電話をかける/受けるという極めてプライベートな行為が、突如として公共性の高い空間に突き刺さる。回りに居合わせた者は、いやでもその発話内容を耳に入れられてしまう。公共空間自体のプライベート化とでも呼ぶべき、公への私の混入。このことが、私たちの社会意識にどのような変化をもたらしていくのであろうか。
携帯電話は、T.P.Oを徹底的に無視する。電話をかける/受けるという極めてプライベートな行為が、突如として公共性の高い空間に突き刺さる。回りに居合わせた者は、いやでもその発話内容を耳に入れられてしまう。公共空間自体のプライベート化とでも呼ぶべき、公への私の混入。このことが、私たちの社会意識にどのような変化をもたらしていくのであろうか。
写真原作者:法政大学3年 小林則孝