6.時代の流れに抗って ―オタクと権力のせめぎ合い―

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 過激派スタイルに身を包み、ゲバ文字で書かれた旗を手に「アキハバラの解放」を訴えるのは、「革命的オタク主義者同盟」である(1)。“オタクのオタクによるオタクのためのデモ”を敢行するのだそうだ。彼らと道路を挟んだ向かいに目をやると、薄汚れた外壁と露出した配管がどこか痛々しい廃墟が建っている(2)。 1951年に開業したこのアキハバラデパートが、半世紀を越える長い歴史に幕を閉じたのは2006年12月のことだった。
 戦後築き上げた一大電気街という固い岩盤を持つ秋葉原は、岩が栄養分を放出して生めかしい新種の花を咲かせ、今日では「萌える都市」「趣都」(森川嘉一郎)としての地位を不動のものにした。だが、IT拠点化を目指す行政に主導されて建ち始めた再開発ビル群によって、アキバに宿っている軽やかさは減じつつある。
 秋葉原の生き証人だったアキハバラデパートを“化石”にしてしまう権力は、あえて旧いスタイルで抗う「趣都」の担い手たちとのせめぎ合いに、どうケリをつけるのだろうか?
写真撮影者:(1)日本大学2年 朴哲宏 (2)日本大学2年 立花勇治
(1)2007年6月17日(日)14時30分 (2)2007年6月24(日)14時45分時頃
いずれもJR秋葉原駅電気街口前(千代田区外神田1丁目)にて撮影

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