11. アド街ック・汐留 ―アドバタイズメント(広告)のメディア(媒介)機能―

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 中央には黄色いボウリングのピンとTAMIYAのプラモデルの箱が並び、左下にはひっそりと太陽の塔のレプリカが顔を覗かせる。1970年代を象徴するアイテムでまとめられたこれらの展示物は、汐留にある国内最大手の広告代理店電通の本社ビルに隣接した2012年開館の広告博物館「アド・ミュージアム東京」(以下ADMT)で常設展示されている。
 ADMTは、「広告の鬼」と呼ばれた電通の第4代社長・吉田秀雄の名を冠する公益財団法人が運営するが、学芸員は「『不偏不党の立場』であり、経済界や学界への貢献と同時に広告の社会的・文化的価値を広く社会に理解してもらうことを目的としている」と語った。
 大手広告代理店と共に、全国紙・民放キー局・大手出版社の本社が皇居の回りに集積し、読売・日テレ系/朝日・テレ朝系/毎日・TBS系などの「系列」を越えた巨大な「マスコミ業界の複合体」が日本の中枢部に形成されている。それは、メディアを相手に広告を打つ広告代理店が、メディア各社を媒介する(メディエート)ことで成り立っているのだ。
写真撮影者:日本大学2年 山梨雄大
2015年7月25日(土)13時08分
アド・ミュージアム東京(東京都港区東新橋1-8-2)にて撮影

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