30.カメラ世代の私たち ―その瞳に映るもの―

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 日々、送りつけられてくる膨大な情報。それを受け取るだけでなく、自分でも日常の1コマ1コマを情報化して他者へ向けて発信したい、唯一無二の存在を表現したい。ストレートでリアルな生活世界を切りとる写真は、自我を写すこともできてしまう。足ばやに流れていく日常にアクセントをつけるため、日記がわりにフィルムに自分を刻み込む。それは、自己表現という行為の持つ一種の<癒し>か。変わり行く自分の確認作業か。それとも、瞬間の気持ちを大切にしたいから? 余計なものの多い現代にあって、レンズは、天然にして無垢な状態を保ち続けられる澄んだ瞳。レンズに接したあなたの瞳には、何が見えますか?
写真原作者:法政大学4年 山下徳理子

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