11.同型の自由意志

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  この世に同じ人間はいない。人の数だけ人生があり、意思が存在するのに、これはどうだろう。誰もがみな同じ姿勢をとり、同じ画面を見つめている。無限の選択肢が広がっているはずだが、1つに収斂してしまう。自由な意思が/によって、みな同型に。

朝日新聞ロゴリード画像.jpg Photo Story 2016年8月26日 「取りつかれた人々」
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  この夏、なにかに引きつけられるように大勢の人たちが集まる場所があちこちに出現した。
  多くの人々はスマートフォンから見える共通の仮想空間にある目印に向けて、画面を操作、7月22日に日本でもサービスが始まった「ポケモンGO」の世界を楽しんでいた。
  東京都豊島区の区立池袋西口公園でも多くの人が集まっていた。その動作は人それぞれ。園内を動き回る人もいれば、座って指先だけを小刻みに動かす人もいた。
  この1カ月で、これまで音楽を楽しんだり、待ち合わせをしたりする場所だった風景が様変わりした。
(写真・文 恵原弘太郎)
2016年8月26日 朝日新聞夕刊 1ページ 東京本社
Nマークリード画像.jpg 後藤ゼミナール 2001年 No.10 「私的空間の集合体 ―電波の圏内、意識は公共圏外―」
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  いつからだろうか、「電話を眺める」姿がごく自然な光景へと変化しだしたのは。数年前ならば電車の中で電話機をじっと見つめる姿は、周囲に違和感を与えたに違いない。このことを裏付けるように、(株)情報通信研究所が今年3月、iモードユーザー6,960名を対象に行った「iモード利用に関する調査」の結果によると、電話とiモードの利用時間比率は、「電話」39.6%に対し、「メール」38.0%、「ホームページ等」22.5%となっており、「話すこと」よりも「見ること」が主流になっている(http://www.commerce.or.jp/)。これは、携帯メールは通話よりも料金が安いうえに、「今ココで」の気持ちも気軽に伝えられる「お気軽文化」が背景にあるからだろう。また、「見るだけならば他人を不快にはさせないはずだ」という思いこみ(無知)が、「携帯電話を眺める」行為に走らせる。
  車内は公的空間でありながら、沢山の境界を持つ「私的空間の集合体」となりつつある。
写真原作者:日本大学3年 時田昌彦
2001年7月3日(火)17時
JR中央線車内にて撮影

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