17.天使になる日 ―舞台としての東京―

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 京駅の新幹線改札口近くの階段。出発の時を待つ二人は、新幹線で東京にやって来て、今日一日を過ごしたのであろう。彼女たちにとって東京とは、一体何なのだろう? CUTIE(宝島社)やZipper(祥伝社)などが取り上げる個性的で自由なファッションの街の代表格は、何といっても原宿である。原宿では、彼女のような「天使の羽根」も“デコラちゃんファッション”として認知されている。デコラちゃんとはdecorateからの造語で、自分を装飾するようなファッションをする人々の総称であり、大阪の心斎橋で誕生し原宿に広まったファッションスタイルと言われている。赤い髪や足カバーなど一見奇抜でズレた格好も、原宿では決して珍しくない。彼女たちにとって原宿(東京)とは、羽根を広げて舞い踊ることのできる晴舞台なのだ。
 新幹線が発車する(舞台から下りる)時、彼女は「天使の羽根」を外すのだろうか。
写真原作者:日本大学4年 児島智之
1998年8月16日(日)午後5時50分
東京駅構内の新幹線改札口そばにて撮影

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