8.新宿の屋外ダンスステージ ―競演・披露の場を求めて―

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 アクロバティックな技を披露する中央の男性に、自分が踊るタイミングを見計らいながら、視線を送る若者たち。ここは、新宿駅西口より徒歩5分にある損保ジャパン本社ビルの入口広場だ。損保ジャパンの前身とも言える安田火災海上保険の時から利用されているため、ダンサーの間では「安田」と呼ばれている。
 彼らがこの場所に集まる理由は、踊りやすさ・アクセスの良さだけではない。見ず知らずの人と技を披露し合い、高め合えることが大きな魅力となっている。単に練習するだけの場である地元のダンススポットとは違い、安田は競演し披露し合う場となっている。そのため、電車で1時間以上かけて訪れる人も少なくない。
 他者に技を魅せることで磨きをかけるという希少な経験を、ここでは確実に積むことができる。ダンサーたちが作る輪の中で踊り、他者からの視線を浴びることで、彼らは、あたかもステージに立っているかのような非日常を味わっているのである。
写真撮影者:日本大学4年 小黒 祐介
2013年9月20日(金)22時30分頃
損保ジャパン本社ビル(東京都新宿区西新宿1丁目26-1)にて撮影

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