7．町田に桜美林あり！―紫が輝くコンコース―

　若者やカップル、ベビーカーを押す外国人等々、大勢の人々が行き交う。天井に吊り下げられた「桜美林大学」の文字が目につく。ここは、JR町田駅中央改札口前のコンコースである。
　町田駅では、横浜駅の隣駅である東神奈川駅から八王子駅を結ぶJR横浜線と、新宿駅から小田原駅を結ぶ小田急小田原線が交差する。1日の平均乗降客数は、横浜線全駅中第1位、小田急線全駅中新宿(約47万人)に次ぐ第2位(約29万人)を誇る。両線を乗り換える人も多い。桜美林大学はJR横浜線淵野辺駅を最寄り駅とするが、玉川大学や和光大学、法政大学など、町田市域にある他の7大学を含め、町田駅を最寄り駅とする大学は実は一つもない。
　桜美林大学の入学者は、東京都と神奈川県の在住者で6割が占められる。桜美林が町田市にあることは地元では周知の事実であるとしても、それ以外では認知度が高いとは言い難い。大学の最寄り駅ではなく町田駅に広告を掲げることで、「町田の大学」として名前を広めようとしている。「桜美林＝町田」の印象操作を繰り広げている、と言ってよいだろう。