3.桜と共に歩んで―変わり行く街の、変わらないもの―

目黒川 桜[1].jpg
 中目黒駅から品川方面へ徒歩10分弱、提灯で彩られた中里橋の赤い欄干から桜を眺める人々。下を流れる目黒川沿いには約3.8kmにわたって桜並木が続き、江戸時代から変わらぬ桜の名所として、ずっと人々に親しまれている。
 東急東横線と東京メトロ日比谷線が通る中目黒駅は、渋谷や恵比寿まで約3分とアクセスがよく、駅周辺地区の市街地再開発事業が進んだ結果、地域の景観に一大変化がもたらされた。中央奥に写る2009年に完成した高さ165m(目黒区内1位)の超高層マンション「アトラスタワー」が、その象徴である。再開発は、1980年代前半頃から終始一貫して住民(権利関係者)主導で進められた。外壁は上層部を白=雲、下層部を茶=土とし、街の景観に調和するようなデザインが施された。高さの割に存在感が乏しいのは、威圧感を与えない理由にもなる。
 中目黒のアイデンティティの拠り所である目黒川と桜並木が、街の大きな景観変化を穏やかにする緩衝帯として働いているのである。
写真撮影者:日本大学2年 塚田ひかる
2012年4月7日(土)11時51分
中里橋(東京都目黒区中目黒2丁目6)にて撮影

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