6.大都会のくつろぎ空間 ―隙間を埋めるサービスステーション―

1999_06_大都会のくつろぎ空間.jpg
 会話のない静かな空間。ソファを埋めているのは、寝ている人、ハンバーガー片手にマンガをめくる人、新聞に目を傾ける人。渋谷・センター街にある24時間営業のマンガ喫茶(98年7月オープン)での、日曜日早朝の光景である。店員の話では、終電を逃して深夜をここで過ごす客以外に、次の目的までの時間を埋めるために朝早く立ち寄る客も多いのだという。ファーストフード店やコンビニでは長居はできないし、他人の目も気になるが、ここに来れば一時間380円でコーヒー・紅茶飲み放題。食べ物は持ち込み可で、セルフサービスのカップ麺も200円で揃っている。延長しても10分50円という料金体系で、緊張の糸をほぐして自分流にくつろげる場が得られる。都会において時間と心の隙間を埋めてくれるこの空間、「マン喫=オタクの巣窟」イメージの薄れと共に、今ちょっとしたブームになっている。
写真原作者:日本大学3年 白武陽美
1999年7月4日(日)午前8時
渋谷のマンガ喫茶「ゲラゲラ」にて撮影

地図


大きな地図で見る

プロジェクト