34.河原のサンセット ―犬を媒介としたコミュニケーションのスタイル―
河原の一日は目まぐるしく変化する。朝はジョギングに汗を流す人であふれ、昼間はサッカー場や野球場へとその姿を変える。夕暮れ時、特に日曜日は、犬の散歩に来た人が集まる。自慢のペットを話の種に次第に会話が弾み、仲間集団ができるようになる。
隣人のこともよく知らない都会の人々にとって、地域で他者とコミュニケーションをとることはなかなか難しい。犬を連れて河原にやって来た人々は、「近所の人より遠くの散歩仲間」といった具合に輪(和)がとれている。だから、この河原での犬たちは、単にかわいいペットではない。見ず知らずの人たちと、自分の主人との仲立ちの役割を果たしているのだ。膨大な人口を抱え、人の入れ替わりが激しい「東京」では、このような媒介なしには人と人との繋がりが成り立ちにくいのかもしれない。
隣人のこともよく知らない都会の人々にとって、地域で他者とコミュニケーションをとることはなかなか難しい。犬を連れて河原にやって来た人々は、「近所の人より遠くの散歩仲間」といった具合に輪(和)がとれている。だから、この河原での犬たちは、単にかわいいペットではない。見ず知らずの人たちと、自分の主人との仲立ちの役割を果たしているのだ。膨大な人口を抱え、人の入れ替わりが激しい「東京」では、このような媒介なしには人と人との繋がりが成り立ちにくいのかもしれない。
写真原作者:法政大学3年 磯部江利