9.これもバーチャル・リアリティ? ―仮構の世界の住人たち―
某女性アイドルグループのイベントが、新宿駅前で行われている。若い男性たちが、大きな望遠レンズのついた高級カメラを構え、ステージに身を乗りださんばかりに目当ての娘に声援をおくっている。彼らがどんなに恋い焦がれても、その想いがとどくことは決してない。彼らに微笑むアイドルたちは、現実の世界とはまるで違った、いわば夢の世界の住人なのだから。彼らが、よしんば夢の世界(=偶像崇拝)に逃げ込めたとしても、夢はしょせん夢でしかなく、すぐに現実に引き戻されてしまう。
この意味で、彼らもまた、ひとときの淡くはかない夢(バーチャル・リアリティ=仮想現実)におぼれる仮構の世界の住人なのだ。
この意味で、彼らもまた、ひとときの淡くはかない夢(バーチャル・リアリティ=仮想現実)におぼれる仮構の世界の住人なのだ。
写真原作者:日本大学2年 彦坂真希子