4.エリート・キッズのネットワーキング ―日常生活圏の脱「居住地」化―
午後8時をまわった、とある有名進学塾の玄関前での風景。この塾には、難易度の非常に高い入塾試験をパスし、麻布・開成・武蔵を初めとする超難関校を目指す受験エリートたちが、広い範囲から通ってきている。通常、小学生たちの平均的な生活は、地元の公立学校を軸にして成立している場合が多い。日頃接する友達もほとんどが学校のクラスメイトだし、少年野球やサッカーのチームだって小学校区を単位としてつくられるケースが圧倒的に多い。彼らの日常生活圏は、歩くか自転車で行ける居住地を中心とした比較的狭い範囲で完結する度合いが高いのである。
しかし、有名進学塾へ通う子どもたちはそうではない。エリート・キッズは、電車を乗り継いで塾に通うことによって生活圏を広げ、塾を媒介として人と情報のネットワークの網の目を押し広げているのだ。
しかし、有名進学塾へ通う子どもたちはそうではない。エリート・キッズは、電車を乗り継いで塾に通うことによって生活圏を広げ、塾を媒介として人と情報のネットワークの網の目を押し広げているのだ。
写真原作者:日本大学4年 吉沢順一