13.フリーペーパーの世界―小さな輝きを共有できるメディア―

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 テーブルや棚の冊子を思い思いに手に取る人々。ここは渋谷PARCO Part1の4階にあるフリーペーパー専門店「ONLY FREE PAPER」だ。情報の電子化がいっそう進む中、オーナーの紙媒体好きが高じ、その灯を消してはいけないという想いから出店された。
 後藤ゼミの調査によると、持ちかえりが可能な全110点のフリーペーパーは、「コミュニティーペーパー」(県や市などの情報)34点、「ターゲットメディア」(趣味など特定の内容)38点、「ニュースペーパー」(特定ではないさまざまな種類の情報)11点などとなった。『わるものパレード』『君を溶かして私も溶ける』『おれたちゃはずれ』『東京ラテンマップ』など題名だけで引き込まれるものも多く、独特のフリーペーパー・ワールドが広がっている。
 この店では、マスではなく、魅力を共有できる読者に向けて、作り手が集め編集した「ただそれだけ」の情報を、誰かにとっての「たった一つ」の特別な情報に換えて、「無料で」配布している。この場所自体が、フリーペーパーと読者をつなぐメディアとして機能しているのだ。
写真撮影者:日本大学3年 玉鉾玲奈
2012年4月21日(土)14時00分
ONLY FREE PAPER(東京都渋谷区宇多川町14?5)にて撮影

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