12.250m・86軒の統一感 ―浅草・仲見世商店街の規制と工夫―

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 写真は、浅草・仲見世商店街の店と店の間の通路だ。現在の仲見世の建物は関東大震災後の1925年に建てられたものであるが、その際に、客が多く集まりやすい角店に出店希望が集中したため、このような狭い通路を施すことで角店と同じ条件の店を作りだそうとしたのが由来である。現在、人のあまり通らないこの通路の不要論もあるが、この建物は東京都の管轄であるため簡単に改築は行えない。さらに、浅草寺(せんそうじ)の表参道沿いに広がる商店街であることに配慮して、自主的に決めたルールが多数ある。これらの規制は、長さにして約250m、86軒に及ぶこの商店街に統一感と独特の雰囲気を与えている。
 仲見世は浅草を代表する観光スポットの一つであり、お金を落とす観光客を呼び込む集客装置でもある。規制緩和の流れに逆らい、規制を守ることで維持されるまちの景観や雰囲気が、ここにはある。
写真原作者:日本大学4年 鳥海藍子
2001年7月14日(土)15時半
浅草・仲見世(台東区浅草1丁目)にて撮影

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