10.アキバでマリオ―バーチャルな世界をリアル空間で疑似体験―

　正面に九州電気とゲオモバイル、手前側にオノデン本館がある。総武線の鉄橋をくぐる直前の中央通りで、ゲーム「マリオカート」に登場するキャラクターに扮してゴーカート(50ccのミニカー)に乗って信号待ちする外国人観光客たち。運転免許を持っていれば、ヘルメットやシートベルトを着用せずに公道を法定速度で疾走することができる。
　公道カートのレンタル会社の代表格は、マリカーとアキバカートの2社。秋葉原の他に、品川や渋谷、浅草、横浜、大阪などにも出店している。コスチュームをレンタルしたり、アクションカメラやBluetoothスピーカーを使って臨場感を高めることもできる。　私たちが平日の4時間にわたって実施した目視調査によれば、品川駅前を通過した49台のドライバーのほとんどが外国人観光客であり、そのうち42人がコスプレをしていた。
　日本が産んだバーチャルな世界のスーパーヒーローに成り切って、リアル東京をゴーカーティングするというアクティビティ。人気を博す理由は、こんなところにあるようだ。