12. 花より団子 ―観光しない観光客―

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 人々が行きかう交差点の向こう側に、店名と免税店の巨大な表示。ここドン・キホーテ(以下ドンキ)新宿東口本店を始め、新宿には格安量販店がひしめいている。
 後藤ゼミが2015年9月11日(金)に店頭とウェブで中国人55人に行ったアンケート調査によれば、30人が買い物を主目的とし、大半がドンキやドラッグストアなどの格安量販店で買い物をし、買い物代10万?50万円が16人、50万円以上が3人もいた。2014年の免税制度改正により、免税の対象が大幅に拡大したことが後押ししているようだ。
 韓国人が社長を務めるドンキは、2008年に「インバウンド・プロジェクト」を立ち上げて以降、深夜帯の営業、銀聯(ギンレン)カードの全店対応、主要20店舗での外貨によるレジ精算サービスなどもいち早く実現させ、他店が追随する。かくして、格安量販店が集中する東京は、「爆買い」中国人客の最も大きな受け皿となり、その結果として、買い物をメインとする「観光しない観光客」が大量に出没するようになっているのである。
写真撮影者:日本大学3年 岡安真司
2015年9月29日(火)16時55分
新宿駅東口歌舞伎町交差点前(東京都新宿区歌舞伎町1-16-5)にて撮影

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