26.青山のアクアリウム ―記号の遊泳―

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 地下鉄の表参道駅(千代田線・銀座線・半蔵門線)のすぐ近く、コムデギャルソン(COMME des GARCONS)が今年4月にリニューアルオープンした南青山の店舗である。ガラスの壁には直径5cm程のブルーのドット(点)がプリントされていて、まるで水をたたえた水族館(アクアリウム)。川久保玲氏デザインのブランドがディスプレイされ、客を吸い寄せる。ギャルソンと言えば、反・脱コンサバ色の強いモード系ファッションの代名詞だ。一つの型にとらわれない自由奔放さが魅惑的。人を選ぶ。値段も高い。カジュアルな服と違い、誰もが身につけることがない(希少性とシンボル性)という点で、服へ強いこだわりも持った経済力のある人々に愛好されている。彼ら/彼女たちにとって、ギャルソンを身につけることは自らのステータスの証(表示)でもある。青山のアクアリウムで、「ギャルソン」という記号が気持ちよさそうに泳いでいる。
写真原作者:日本大学4年 小松拓真
1999年7月12日(月)
港区南青山5丁目にて撮影

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