5.見えないシェルター ―渋谷における空間と人間の二面性と共通性―

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 渋谷センター街。道の真ん中で腰を降ろす若者と通り過ぎる人々。
 両者の行動は異なっているようで、実はとても似かよっている。若者たちは周りを気にすることなく、「連帯感」で包み込んだ自分たちだけの空間(見えないシェルター)を作り出している。通行人たちは「無関心」で装い何くわぬ顔で通り過ぎていく。表面的には二極化して見えるが、両者とも他人を全く気に留めていない点では共通している。
 そもそもここは、両脇にファーストフード店等が立ち並び、車も通らない。いわゆる歩行者天国であり、「道路」でありながら「広場」でもあるという二面性を持ち合わせた空間となっている。腰を下ろす若者には「広場」として、通り過ぎる人々には「道路」として、一つの空間が別々の用途として使われているのだ。
 「疲れているから座るだけ」と話す若者の真横を、人々の群れが通り過ぎていく。
<写真撮影者:社会学科3年 石川英司>
2005年7月5日(火)19時頃
渋谷センター街(渋谷区宇田川町)にて撮影

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