4.流浪の民 ―管理下におかれたホームレス―(1999年度作品)

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 ここは新宿駅。京王百貨店地下にある京王新線改札口に続く階段の、午前5時30分頃の風景である。寝転がっている男性のほとんどはホームレスだ。新宿駅付近で生活している彼らの多くは、主に西口バスターミナル地下の小田急百貨店前の通路で寝泊まりしている。現在、新宿駅は午前1時20分までに全てのシャッターが閉められるが、そこだけは出入りできるからだ。かつて新宿駅の地下通路には数多くの段ボールハウスが立ち並んでいたが、1998年2月に死者を出す火事を契機に全面撤去された。それ以降、新宿には深夜を安心して過ごせる場所がめっきり少なくなった。小田急百貨店前も、朝方になると一般の人々の通路に なるため、午前4時20分に駅のシャッターが開くと同時に移動が始まる。その行き着く先の一つが、この写真の場所というわけである。排除と管理の強化が進んだ結果、新宿は野宿者が安住できる場ではもはやないのである。
写真原作者:日本大学3年 笠貫大樹
1999年7月3日(土)午前5時30分
新宿駅構内にて撮影

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