7.場所の持つ吸引力

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  川崎駅近くの路上でラップによるバトルに興じる若者たち。新宿駅の誰もいない公衆電話の脇で携帯電話で通話する若者。一見人々が自発的に場所を選択しているようだが、実はその場所が持つ吸引力によって、人々が呼び寄せられているのではないか。

朝日新聞ロゴリード画像.jpg Photo Story 2015年12月4日 「言葉と音のバトル」
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  夜8時すぎ。JR川崎駅のほど近く、路上のラップに少年たちが集う。リズムに言葉を乗せるラップを即興でし合う、米国発祥の「サイファー」と呼ばれる集いが各地で広がりを見せている。一対一の「バトル」では、聴く人たちの挙手で勝敗が決まる。「引きこもりだったけど、ラップで変わった。ここではどんな言葉を吐いてもいい。自由」(13歳)。「聴いて応える。あやふやじゃ通用しないラップには緊張感がある」(16歳)。「言葉を理解したくて国語の授業やニュースを聞くようになった」(13歳)
  毎週土曜の夜に開催される「川崎サイファー」をまとめる田中優作さん(21)は「人まねじゃない言葉と音の乗せ方が大事」と話す。年齢も経歴も関係なくふれあえる。音楽と、共に過ごす瞬間に生みだされる言葉に、人の輪ができる。
(写真・文 川村直子)
2015年12月4日 朝日新聞夕刊 1ページ 東京本社
Nマークリード画像.jpg 後藤ゼミナール 1998年度 No.4 「『公共性』と『私性』の折り合い―携帯電話のアイロニー―」
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  京王線・新宿駅の中央改札口付近。利用者のいない公衆電話がずらりと並んでいるその向こうに、携帯電話で通話している若者が1人。二重の意味で皮肉な光景と言って良い。一つは、公衆電話が街のオブジェになりつつあるという点で。NTTによれば、PHSや携帯電話が普及し始めた1994年度以降、公衆電話の設置数も利用者も大幅に減少しているという。二つは、にもかかわらず、公衆電話近辺は安心して電話をかけられる場所であり続けているという点で。コンサート会場や病院、電車、教室内などで、着信音を鳴らされたり、話しを聞かされたりでいやな思いをさせられる人は多い。携帯(=私)電話は、公共性の高い空間をもたちどころに「私化」し、不快指数を一挙に高める暴力性を有しており、どこででも送受信できる利点が最大の欠点にもなる。だから、TPOをわきまえて携帯電話をかけようとすると、ついつい公衆電話に近づいてしまうのだ。
写真原作者:日本大学2年 浅沼伸介
1998年7月8日(水)午後3時頃
京王線・新宿駅にて撮影

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