12.映える怒りのメッセージ

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  国への怒りを叫んでも、ここ東京では人々の無関心の前にかき消されてしまう。そこで、ある者は束となって声を上げ、ある者はストリートアートに政治性を忍ばせる。街のあちこちで引き立つメッセージは我々に語りかける。「君はどうするんだい?」

朝日新聞ロゴリード画像.jpg Photo Story 2015年7月17日 「戦後の宝 闇を照らせ」
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  暗闇に浮かぶ「9」。夜の国会前、安全保障関連法案に対する抗議集会で、神奈川県からきた男子大学生(19)が高々とタブレット端末を掲げていた。液晶画面には憲法9条を示す数字ひと文字。
  政治にはあまり関心はなかったが、昨夏ごろ疑問を感じ始めた。今年6月、SNSで学生主催のデモを知り足を運んだ。同世代のストレートな感情表現に衝撃を受けた。通い始めて1カ月。「昔の僕が今の姿を見たら『お前何やってるんだ』って笑うでしょうね」
  同法案が衆院特別委員会で可決された15日の夜。「明日はテストなのに」。怒りを力に変え、声を張り上げた。
(写真・文 関田航)
2015年7月17日 朝日新聞夕刊 1ページ 東京本社
Nマークリード画像.jpg 後藤ゼミナール 2017年度 No.3 「3.11は終わっていない―渋谷のストリートアートの政治的メッセージ―」
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  渋谷宇田川町の道玄坂下交差点の脇にあるマツモトキヨシ渋谷Part1の裏側の壁に、種々雑多なストリートアートが描かれている。その中で一際目を引くのがこの少女のステッカーだ。放射能マークの赤い花びらを、少女が吹き飛ばしている。
  渋谷を活動の拠点として、世界的に注目を集める覆面の男性グラフィックアーティスト281_Anti Nukeによるもので、同様のステッカーは街の方々で目にすることができる。英文WebサイトやTwitterやFacebook等を駆使して、世界中にアートで反原発を訴えると共に、「JAPAN KILLS JAPANESE」という作品が表すように、原発事故を起こさせたのは地震や津波ではなく政治(国家)なんだというメッセージが込められている。
  人通りが多く、路地裏では無数の落書きやストリートアートであふれる渋谷だから、281_Anti Nuke氏をして自らの作品ステッカーをあちこちにゲリラ的に貼ることを可能とする。そして、この雑踏こそが、彼にとっては最高のキャンバスになるのである。
写真撮影者:日本大学2年 大浜匠
2017年7月27日(木) 15時37分
東京都渋谷区宇田川町22-3にて撮影

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