7.東京の中の「ふるさと」 ―新潟県人会が顕れるとき―

2007_07_東京の中の「ふるさと」.jpg
 紺と青地の幟(のぼり)に「東京新潟県人会」の文字。お揃いの半被に袖を通し、義捐金の募金活動を行っている。2007年7月16日に発生した新潟中越沖地震の翌日から始め、約2週間で延べ5万人から1,350万円も集め、9月には被災した5市町村に直接届けた。故郷の新潟と東京との架け橋になっている。
 東京新潟県人会は、1910(M43)年に設立された東京(圏)在住の新潟県出身者の会で、下部組織に、台東区新潟県人会や練馬区新潟県人会のように居住地区毎に組織された「地区県人会」と、えちご吉田会や弥彦村人会のように出郷地区を同じくする者が組織した「郷人会」を抱える。上野にある8階建ての立派な会館を維持する資金力を持つほど強固な組織であり、理念の第一番目には「郷土愛でつながる人の和」が掲げられている。
 このような同郷的関係を維持し続ける人々は、「故郷喪失者(根無し草)」ではない。出郷後もつながり続け、都会と故郷に「相互扶助と心の拠り所(ふるさと)」を二重に張り巡らせているのである。
写真撮影者:日本大学4年 萱場 博
2007年8月1日(水)15時頃
上野駅公園口付近(台東区上野7丁目)にて撮影

地図


大きな地図で見る

プロジェクト