7.匿名<安全 ―ロッカーの新しいケータイ―

2003_07_匿名<安全.jpg
 2003年3月に京王新線新宿駅に設置された、携帯電話の番号を鍵として使う新しいタイプのコインロッカー「クロスキューブ」である。コントロールセンターが24時間管理しており、支払いも現金とカードが選択できる。また相手の電話番号を登録することで、二者間における荷物の受け渡しも可能である。利用者も従来型ロッカーの約2倍と好調で(2003年8月22日付の「電波新聞」による)、名古屋と大阪にも新たに設置された。
 だが、電話番号(個人情報)をセンターに登録するということは、従来型ロッカーの持つ匿名性が排除されることになる。ではなぜ、このようなロッカーが必要なのか? 大都市では、匿名性が悪用されて拳銃・覚せい剤の保管場所となった事実や、無差別テロなどに利用される危険性もある。そこで、一人の個人情報よりも人々の安全が優先されたのだ。
 そう考えると、最初は便利に思えたこのロッカーが、東京に潜む負の部分にも見えてくる。「これからは、もっと“鍵”の管理に注意しないとね」。
写真撮影者:日本大学4年 内田昌宏
2003年7月22日(火)14時頃
京王新線新宿駅ルミネ口(新宿区西新宿1丁目)

地図


大きな地図で見る

プロジェクト