8.歌舞伎町WARS ―上を向くと殺られるぞ!―

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 ビルを埋め尽くす程の目にも鮮やかな看板と、赤と青の服を着て歩道に立つ客引き。これは歌舞伎町に接する靖国通り沿いの光景である。看板は店の存在を分かりやすく示すものであり、人の視線を待ちわびるだけの「待ちの広告」である。しかし、いざ目の前の横断歩道を渡りビルに近づくと、4階以上のものは顔を90度近く上げないと見えず、高層看板の大半は視界にすら入らない。ビル7階に店を構える居酒屋「海の家」によると、店の知名度がないと集客は辛いと言う。そこで「攻めの広告」である客引き行為を行うのである。彼らは闇雲に声をかけているように見えるが、実は違う。インタビューしたところ、看板を見上げている人やキョロキョロしている人を標的にしていると言う。
 うろつく視線を固定させるには、「待ちの広告」と「攻めの広告」の二種類の広告を上手く利用することが重要なのだ。飲食店の競争が激しい歌舞伎町では、視線を巡る戦争が日々繰り返されている。
<写真撮影者:社会学科2年 富田竜至>
2005年10月18日(火)19時頃
新宿区新宿3丁目にて撮影

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