21.新宿黄金街 ―裏路地を曲がるとそこは不思議の街でした―

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 縦横7本の路地に3,4坪のバーが170軒も連なる、新宿ゴールデン街という一角がある。
 東京オリンピックの折、それまでの闇市、非合法の売春宿がイメージアップのため一掃され、建物の密集した街並みのままに現在のような飲み屋街が形成された。
 閑散とした昼から一転、看板が灯ると何処からともなく人が沸いてくる。閉ざされた店構えやこぼれでる店灯りの怪しさとは対照的に、街は訪れる者を選ばない。一人で訪れても語る相手は尽きず、皆その夜の出会いと酒と人柄に酔う。
 そんな街にも、バブル期には再開発目的の地上げで店舗数を1/3まで衰退させた過去がある。だが一部の店主は踏み止まり、ここを愛する常連客が店主となって戻ってきた。芸術家達も好んで集う街の磁場に惹かれた若い世代が、新たな活気を運んでいる。
 表通りは日本一の繁華街。しかし、その歌舞伎町では代用できないアイデンティティを、ゴールデン街は証明してみせた。街は今、輝きを取り戻している。
写真撮影者:日本大学3年 福島康史
2004年7月4日(日)15時頃
花園ゴールデン街(新宿区歌舞伎町1丁目)にて撮影

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