15.レプリカント ―複製人間製造マシーン―

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 JR神田駅のホーム。戦う日本のサラリーマン達は、出勤に際してスーツというユニホームで自らの個性を包み隠し、会社のために献身的に働く企業戦士へと変身する。
 日本の企業社会は組織化と分業化を高度に進めて、生産性を絶えず高めてきた。しかし、大きな歯車が動き始めると、小さな一つ一つの歯はその動きに身をゆだねるしかなくなる。かくして、個性を無くしロボットのように働く大量 の複製人間(レプリカント)が生み出される。画一性と効率性の追求は、日本経済の高度成長に大きく貢献したが、その陰でふと気がつく寂しさは一体何であろうか。
 しかしそんな疑問を感じつつも、人々は全体の一部分としての役割を背負って、今日も働き続けなければならない。
写真原作者:法政大学3年 山口武士

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