4.列を作るメイド―秋葉原の定置網漁―

 ここは秋葉原電気街。木と女性が等間隔に、一直線に列を成している。整然と並ぶメイド服姿の女性に目を奪われる人も少なくない。 彼女たちはご主人様を探しているが、メイドカフェやコンセプトカフェ&バー(通称コンカフェ)の激戦区秋葉原では、ご主人様を見つけ出すのはそう容易いことではない。
 千代田区の条例で客引き行為は禁止されているため、彼女たちはビラや名刺を配ったり看板を立てたりでしかアピールをすることが出来ない。 10月25日(水)16-20時と10月29日(日)18-22時に張り込み調査を行ったところ、10分ごとにキャストをローテーションする店舗がある一方で、4時間以上も立ちっぱなしのキャストもいた。また、女性が同時に並ぶ最多数は、10/25で10人、10/29で12人。声を掛けながらのビラ配りが断然多かった。
 それでも様々な店のキャストが立ち並ぶこの列は、まるで定置網漁のようにも見える。客が網に確実にかかってくる。ここに立つことで、集団でいることの存在感と華やかな服装により歩行者の視線を集め、店の売り上げに貢献するのである。
写真撮影者:日本大学4年 及川 穂乃佳
2023年1月15日(水)20時00分
秋葉原中央通り交差点(東京千代田区外神田1-11-7)にて撮影

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