13.靖国神社と見世物小屋 ―聖と俗の共存共栄―

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写真1
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写真2
 “英霊”が祀られる靖国神社。毎年30万人もの人が訪れる御霊祭りの様子である。参道には3万を超える提灯が並び、幻想的で美しい光景が広がる(写真1)一方、境内の脇に入ると、奇妙な看板が目を引く見世物小屋(入方興行社)が興行している(写真2)。
 いかがわしさが漂う仮設の小屋の中では、女が生きている蛇を食べたり、胸やパンティーをチラつかせながら歌謡曲を歌ったり、およそ“神聖な場”に似つかわしくないパフォーマンスが行われている。
 今や全国でたった2団体しか残っていない見世物興行だが、江戸時代から「宗教的行事のサイド・ショーとして、命脈をたもちつづけてきた」(加藤秀俊)。つまり、全国各地の神社仏閣にとって、祭りの時だけ仮設されて興行を行う見世物小屋は、「人寄せ装置」としてなくてはならないものだったのだ。
 聖なる靖国神社も、卑俗な見世物小屋の持つ集客力に、ある面で依存しているのである。
写真撮影者:1.日本大学3年 小池 裕太 2.日本大学4年 森 明霞 
1.2008年7月16日(水)18時09分 2.2008年7月13日(日)16時20分
いずれも靖国神社(千代田区九段北1丁目)にて撮影

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