19.聖地アキハバラ ―エロゲーから見る街の構造―

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 壁からこちらを見つめる女の子達。18歳未満お断りのゲーム(通称エロゲー)の掲示板は、秋葉原のあちこちで見ることができる。
 不況にあえぐ販売店が、規模は小さいながらも安定したエロゲー市場に参入し、秋葉原において供給過多の状況を生みだした。他店との差別化のために始めたものが、各店舗の負担で作るテレカやポスターなどの特典であり、その有無や内容を知らせるものが写真のような掲示板なのだ。店ごとのオリジナル特典はコアユーザーのコレクション意識を煽り、複数の店舗で同一のタイトルを予約させることになる。一定の需要を水増しさせるこの街の機能は、いまやエロゲー文化を下支えしていると言えるだろう。
 日本最大の電気街として、巨大な販売窓口となる「秋葉原」。ここはまたサブカルチャーの一端を担い、新たなそれを生み出す街「アキハバラ」でもある。
 掲示板は、街行く私たちに「オタクの聖地」としての真髄を垣間見せている。
写真原作者:日本大学4年 井原康則
2003年8月2日(土)16時
ナカウラ無線(千代田区外神田4丁目)にて撮影

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