15.ウルトラマン参上! ―偶像崇拝(シンボル操作)の下地―

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 小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅の駅舎を背景に、高さ約4mのウルトラマン像(2006年3月完成)がそびえ立つ。向こうのバスもリングにまたがる女性も、小さく見える。
 1927(S2)年の小田急線開通と同時に開業した祖師ヶ谷大蔵駅の周りには、3方面に延びる3商店街が別々にある。全部を合わせると、約4kmに550店舗が並ぶ都内有数の大商店街。2005年4月に合体して、「ウルトラマン商店街」に生まれ変わった。
  1963年、駅の南側に広がる砧地区に、ウルトラマンを生んだ円谷プロが設立され、日大商学部が移転してきた。円谷プロは東宝から独立し、日大の場所は東宝の跡地だった。現在でも、近くには東宝スタジオ(旧砧撮影所)やTBS・フジテレビなどの番組制作に使われるスタジオがいくつも入った東京メディアシティ(東宝系)がある。つまり、かつて「東宝のまち」でもあった祖師谷・砧が、今「ウルトラマンのまち」に変身したというわけだ。
 映画やTVが作り出す「偶像(シンボル)」の下地がこのまちには元々あった、と見るべきだろう。
写真撮影者:世田谷市民大学 志賀 昌子
2007年7月1日(日)10時47分
小田急線祖師ヶ谷大蔵駅前(世田谷区祖師谷1丁目)にて撮影

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