5.表に対する裏の原宿―アマチュアリズムと包容力―

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 裏原宿の狭い小道に入ると、建物を覆うように乱雑に組まれた真っ赤な鉄パイプと壁や扉に描かれた奇妙な絵が目に留まる。ここは、誰でも自作のイラストや写真・雑貨等の作品を自由に展示できる「デザイン・フェスタ・ギャラリー原宿」である。
 大小21部屋ある展示スペースは、「審査なし」で1日525円からという幅広い価格でレンタルしている(都内にあるギャラリーのレンタル相場は1日3万円前後で且、審査あり)。誰が、どんなモノを持って来ても、お金を払えば展示できるのだ。その気軽さと安さから、美大生や学生サークルの使用も多く、利用者の大半は20代のアマチュアである。
 「デザイン」を打ち出したネーミングと、無審査による統一感を欠いた利用実態には、隔たりを感じざるを得ない。しかし、「表」の原宿に比べ、道が入り組み人通りも少ない「裏」原宿は、安い賃料でテナントを確保出来るため、若者のアマチュアリズムを包容する自由度の高い環境として、表ではないからこその役割が与えられているのである。
写真撮影者:日本大学4年 上村哲平
2011年7月26日(火)15時13分
デザイン・フェスタ・ギャラリー原宿(渋谷区神宮前3丁目)にて撮影

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