6.清く、正しく、美しく ―宝塚ファンの社会性―

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 赤いカーディガン隊と黒いベスト隊。お揃いの「会服」をまとった女性達が佇んでいる。宝塚歌劇団の役者の楽屋入りを見送る「入り待ち」の様子だ。警備員がいないにも関わらず、公演の2,3時間も前から、礼儀正しく、一糸乱れずに美しく並んで待っている。
 宝塚には、役者を応援する非公式の私設ファンクラブが役者毎に存在する。会によって様々な「暗黙の掟」があるが、全般的に言って会員歴に応じた階級性が認められる。「幹部」が会務を取り仕切り、一般会員の思いをつなぎ止めるため、情報統制を徹底化し、会を管理下に置いて閉鎖性を強める。サークルというよりは強固なタテ社会を形成している。
 宝塚音楽学校の生徒時代に「スターの芽」を見いだして会(応援団)を結成、退団するまで共同体は維持される。上に役者を頂き、幹部を上層とするピラミッドが形作られるのだ。
 役者と会員との“一心同体”を堅持するために、宝塚歌劇団のモットー、「清く、正しく、美しく」を地で行くのである。
写真撮影者:日本大学4年 伊藤しおり
2009月7月28日(火)11時00分
東京宝塚劇場前(千代田区有楽町1丁目)にて撮影

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