11.光の共鳴 ―変わらぬシンボルと進む再開発―

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 美しくライトアップされた駅舎と、傍らにたたずむ雪だるまのイルミネーション。2001年大晦日の、JR東京駅とオープンしたばかりのパシフィックセンチュリープレイス丸の内(PCP)ビルである。
 東京駅は、天皇の乗降と丸の内のオフィス街整備という目的のもと、皇居に面 した東京の「顔」として、1914(T3)年に建設された。駅舎は、列強諸国に見劣りしないように、当時世界の中心であったイギリスの赤レンガ造りを模して建てられ、皇居側には広場が設けられた。高層ビルひしめく都心でありながら、現在でも駅舎全体を見渡せるという事実には、皇居と密接に結びついた東京駅の「権力中枢の象徴性」が潜んでいる。他方、急速に建設が進む周辺の高層ビル群。2001年12月に完成したPCPビルは、様々なイルミネーションによってその存在を誇示しようとする。
 だが、丸の内の景観基軸は東京駅から皇居にあり、周りの光と共鳴しながら、その威光こそが満天の星のごとく光輝くのである。
写真原作者:日本大学3年 齋藤秀和
2001年12月31日(月)夜
JR東京駅丸の内北口付近(千代田区丸の内1丁目)にて撮影

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