9.東京大深度地下鉄 ―深化は進化と言えるのか?―

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 青白い光に包まれ、吸い込まれていくかのように人々が降りていく。エスカレーターの向かう先は、地下36mに位置する都営地下鉄大江戸線新宿駅のホームである。
 1927(S2)年、日本初の地下鉄として銀座線が誕生した当時、最深は銀座駅ホームの10.1mだった。73年後の2000年、大江戸線が12番目の地下鉄として全通。その後開通した副都心線を入れ、東京の地下には現在、13本もの路線がひしめき合っている。同一レベルで巡らせることはできないので深化が進展し、日本一の深度を誇るのは同じ大江戸線の六本木駅で42.3m、新宿駅は2番目である。
 地下深く潜ったホームに辿り着くには、大江戸線新宿駅の場合、改札口からだけでも3分ほどかかる。丸ノ内線新宿駅(11.2m)の所要時間約20秒とは大違いだ。
 地下42.3mという深さは、地上8-9階建てのビルの高さに相当する。果たして、大深度地下利用は、人間社会にどんな進化をもたらすのだろう?
写真撮影者:日本大学2年 鈴木みずほ
2009年7月8日(水)9時55分
都営地下鉄大江戸線新宿駅構内(渋谷区代々木2丁目)にて撮影

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 路線図をみると都営大江戸線は、東京の地下深くで、6の字を描いている。総延長四〇・七キロ。一路線の地下鉄としては国内最長だそうだ。
 既存の地下鉄などを避けて建設。沿線中、最深部は六本木駅で地下七階、四二・三メートルに達する。
 長さ百三十七メートルのプラットホームに直径一メートル近い柱三十五本が四メートル間隔で並ぶ。通常なら五メートル間隔だが幅を狭めて地下構造物を支える。中身は直径八十センチの鋼管。黒御影石で表面を仕上げ、ゴージャスな空間をつくり出した。
写真撮影者:嶋邦夫
掲載日:2008年4月23日

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